【2026年版】慶應義塾横浜初等部編 受かる子・合格した子の徹底分析!偏差値や倍率、試験内容対策など:学校別対策シリーズ

慶應義塾横浜初等部_受かる子

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2013年に横浜市青葉区で開校した慶應義塾横浜初等部は、慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部や慶應義塾大学と連携し、小・中・高・大をつなぐ学びを提供する人気の小学校です。

この記事では、その難易度の指標として、倍率や偏差値などの情報に加え、学校の公式ホームページや学校パンフレット、関連書籍を徹底分析して、受験を検討されている方はもちろん、学校研究をされている方にも参考にしていただける情報をまとめました。

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目次

慶應義塾横浜初等部の難易度:倍率・偏差値

慶應義塾横浜初等部の倍率

慶應義塾横浜初等部への入学志願者は例年1,400名ほどで、合格者が100名ですので、倍率は14倍前後という計算になります。

慶應義塾横浜初等部の偏差値

小学校受験では、学校ごとに試験内容が異なることもあり、それぞれを比較するための「偏差値」は存在しませんが、系列中学校の偏差値を参考値とすると、慶應義塾湘南藤沢中等部の偏差値は75となっています。(首都圏模試センター参考

ペーパー対策の落とし穴

小学校受験のペーパー試験では、「問題が分かるかどうか」だけでなく、
音声で条件を正確に聞き取れるか
制限時間の中で集中を切らさずに考え続けられるか
途中で迷っても、次の問題へ切り替えられるか といった“試験中の状態”が大きく影響します。
幼児にとって、音声を聞き取りながら条件を整理し、限られた時間の中で考え続けることは、想像以上に負荷のかかる作業です。
早い段階から「本番を意識したテンポや流れ」に触れておくことが、当日の安定感につながります。

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慶應義塾横浜初等部 入試出題内容傾向

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慶應義塾横浜初等部の概要と教育方針

慶應義塾横浜初等部は、2013年に横浜市青葉区に開校した慶應義塾の2校目の小学校です。福澤諭吉が唱えた「独立自尊」の精神を土台とし、「体験教育」「自己挑戦教育」「言葉の力の教育」の3つを教育の柱に据えています。卒業後は原則として慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部(SFC)に進学でき、さらにその先には慶應義塾大学への道が開かれています。

体験教育では、授業や行事を問わず「実際に本物に触れ、体験すること」を重視した学習が行われており、校外学習も充実しています。2年生からは毎年宿泊学習が実施されます。自己挑戦教育では、得意な分野はもちろん苦手な分野にもチャレンジすることで自分の可能性を広げていくことを目指しており、英語教育や国際交流プログラムにも積極的に取り組んでいます。言葉の力の教育では、読書や自分の考えを表現する活動を通じて、書くこと・聞くこと・話すことの力を伸ばすことを大切にしています。また、福澤先生の著作と生涯から題材を取り上げた道徳的な授業も行われています。

授業面では週6日制を採用し、十分な授業時間を確保しています。低学年から音楽・図画工作・体育・英語は専科制、3年生以降は教科担任制を導入しています。クラス替えは2年ごとに実施され、1クラスは約36名、1学年3クラス編成です。

進学先である慶應義塾湘南藤沢中等部の英語教育は、英語科の教員の約半数がネイティブスピーカーであり、「英語について学ぶ」のではなく「英語で何かができるようになる」ことを目指した授業が行われています。そうした先を見据え、横浜初等部でも高いレベルの英語教育が行われています。

施設面では、幼稚舎より新しく、学年ごとに用意されている多目的室や、和室、プールなど、さまざまな活動に取り組める環境が整っています。

慶應義塾幼稚舎との違い

同じ慶應義塾の小学校でありながら、幼稚舎と横浜初等部では教育方針や入試の仕組みに明確な違いがあります。

幼稚舎は「まず獣身を成して後に人心を養う」という福澤先生の教えのもと、体育活動に非常に力を入れています。児童全員が1,000メートルの完泳を目指す水泳をはじめ、高学年では4キロマラソン、登山、スキー合宿なども実施されます。施設面では、さまざまな昆虫が訪れるビオトープや多種多様な植物がある「理科園」、剥製や骨格標本・化石・鉱物など数千点が展示された「サイエンスミュージアム」、砂場やジャングルジム、ドッジボールコートなどの遊具が揃った校庭(通称「遊園地」)が特徴的です。

幼稚舎では6年間クラス替えがなく、担任も変わらない「持ち上がり制」を採用しています。1学年4クラスで、クラス名は慶應のローマ字表記からK組・E組・I組・O組となっています。担任が受け持つのは国語・社会・算数・総合(生活)・体育の一部で、それ以外は専門の教員が授業を行います。1年生から英語や情報を含む専科授業を受けることができます。

入試面では、幼稚舎にはペーパーテストがなく、運動・行動観察・絵画制作の3科目が中心です。30年以上前にはペーパーがありましたが、「子どもの生活の中心は遊びであり、人としての魅力や将来の力を育むこと」に重きを置くようになり、現在の形式になりました。親の面接もありません。

一方、横浜初等部ではペーパーテストが一次試験として課されており、学力面での選考が明確に組み込まれています。二次試験では絵画・工作、集団テスト、運動テストが実施されます。横浜初等部にも保護者面接はありません。両校とも保護者面接がない代わりに、願書や当日の振る舞いから家庭の姿勢や価値観を総合的に読み取るスタイルが共通しています。

なお、幼稚舎と横浜初等部は併願が可能です。

慶應義塾横浜初等部の出願書類と願書のポイント

慶應義塾横浜初等部の出願時には、3つの書類を提出します。

①入学志願書
表面には志願者・保護者・家族の基本情報を記入し、裏面には志望理由と課題図書に関する記述欄があります。

②健康調査書
試験当日に配慮が必要な事項がある場合に記入します。

③幼児調査書
お子さまが通う幼稚園・保育園の先生に記入してもらう書類です。3年間の出席日数・欠席日数と欠席理由を記入する内容で、封をした状態で返却されるため保護者が中身を確認することはできません。記入するのは出席と欠席だけで、遅刻や早退は含まれません。

願書で特に注意が必要なのが、裏面下半分を占める「課題図書に関する設問」です。この課題図書は年度によって変更されることがあります。過去の課題図書は以下の通りです。

・2018年:福翁自伝
・2019年:伝記小泉信三
・2020〜2023年:福翁百話
・2024年:福翁自伝

開校から2018年まではずっと「福翁自伝」が指定されていましたが、2019年に「伝記小泉信三」、2020年からは「福翁百話」に変わり、2024年に再び「福翁自伝」に戻りました。

設問では単なる読書感想文ではなく、読んだ内容を自分の家庭の子育てと結びつけて書くことが求められます。2023年からは本の内容を学校生活にどう活かすかまで踏み込んで書く必要があります。参考として、過去の「福翁百話」に関する設問は以下のような内容でした。

「『福翁百話』の家庭や親子関係などに関して書かれている部分を読み、保護者と志願者のかかわりについて感じるところを書いてください。」

受験を検討されている方は、まず基本となる「福翁自伝」を早い段階で読んでおくことをおすすめします。「福翁自伝」は福沢諭吉の自叙伝であり、慶應義塾を理解するのに役立つ一冊です。次に「伝記小泉信三」と「福翁百話」に目を通しておくとよいでしょう。「伝記小泉信三」は戦時中に塾長として慶應義塾を守った小泉信三の生涯を描いたもので、小泉信三は若い頃に福沢諭吉の自宅で一緒に暮らしていたこともあり、異なる視点から福沢諭吉を理解できる一冊です。「福翁百話」は、福沢諭吉が客人に語った話をまとめた本で、道徳や教育、家族、政治などさまざまなテーマに関する100の話からなるエッセイ集です。余裕があれば「福澤諭吉 家庭教育のすすめ」や「学問のすすめ」も合わせて読んでおくとよいでしょう。

幼児調査書については、福澤先生の「先ず獣身を成して後に人心を養え」の精神のもと、慶應義塾は出席を重視する校風です。例えば高校では皆勤賞の学生は成績の評定が上がるほどです。年少のうちから病気や忌引き以外で休まないよう心がけましょう。欠席がゼロであれば調査書に欠席理由を記入する必要もなくなります。どうしても用事がある場合は遅刻・早退で対応するのが望ましいでしょう。

依頼の方法としては、お子さまの名前と提出期限を記したメモを添えて、幼児調査書と所定の封筒をクリアファイルや大きめの封筒に入れ、なるべく早めに先生にお願いしましょう。欠席がある場合は、欠席理由の書き方について事前に先生と相談しておくことも大切です。

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慶應義塾横浜初等部の入試の全体像と日程

慶應義塾横浜初等部の入試は、一次試験と二次試験の2段階で行われます。保護者面接は実施されません。その代わりに、願書の「課題図書の感想文」によって家庭の教育観や親子の関わり方が評価されます。

2025年度入試(2024年実施)の日程は以下の通りです。

【一次試験】
2024年11月11日(月)/志願者全員が受験。女児→男児の順で、月齢の低い子から実施。

【二次試験】
2024年11月22日(金):男児(年少者から)
2024年11月23日(土):男児
2024年11月24日(日):女児(年少者から)
2024年11月25日(月):女児

二次試験に進めるのは全体の約3割程度で、制作・絵画課題、集団行動観察、運動テストが行われます。

試験日程が11月中旬以降と首都圏の私立小学校の中でも最も遅い時期に設定されているため、他校との併願がしやすいのが特徴です。すでにいくつかの結果が出た後で受験に臨めるため、第一志望として受ける家庭だけでなく、他校でご縁がなかった家庭が「最後の勝負」として挑戦するケースも多く、受験者数が膨らみやすい構造になっています。

慶應義塾横浜初等部の推定偏差値と併願校

小学校受験には統一された偏差値は存在しませんが、各模擬試験や教育機関が独自に算出する「難易度ランク」「合格判定偏差値」が実質的な指標として使われています。慶應義塾横浜初等部の推定偏差値はおおよそ65〜68前後とされ、国内最難関クラスに位置付けられています。

併願先として選ばれることの多い学校と推定偏差値の目安は以下の通りです。

・慶應義塾幼稚舎:70前後(東京都)
・洗足学園小学校:60〜65前後(神奈川県)
・早稲田実業学校初等部:61〜63(東京都)
・学習院初等科:59〜61(東京都)
・青山学院初等部:58〜60(東京都)
・暁星小学校:58〜60前後(東京都)
・雙葉小学校:58〜60前後(東京都)
・白百合学園小学校:58〜60前後(東京都)
・立教小学校:50〜55前後(東京都)
・森村学園初等部:50〜55前後(神奈川県)

最も併願頻度が高いのは慶應義塾幼稚舎です。横浜初等部はペーパーテストによる選抜があるため、「フリー(縁故なし)でも合格が狙える」という印象を持たれやすく、両校を併願する家庭が多くなっています。

森村学園初等部は、創設者の森村市左衛門氏が福澤諭吉を深く敬愛していたこともあり、教育方針に共通点が多く見られます。10月入試という日程的な利便性もあり、横浜初等部を本命とする家庭の多くが神奈川エリアの有力併願校として選んでいます。

なお、青山学院初等部は以前はペーパーテストを実施していませんでしたが、近年は筆記試験を導入するようになっています。

一次試験:ペーパーテスト

一次試験で課されるペーパーテストは、全体の上位約3割しか通過できないため、「ほぼ満点に近い正答率が必要」と言われています。出題の形式自体はスタンダードですが、巧みなひねりや工夫が凝らされており、知識の詰め込みだけでは対応できません。

特徴的なのは、設問によって使用する筆記具やその色を変えるよう指示される場合がある点です。クレヨン、クーピー、ポンキーなど複数の筆記具を使い分ける必要があり、「聞く力」と「注意力」が同時に試されます。また、一部の問題では具体物(絵や配置図など)が使われることもあります。

主な出題分野は、お話の記憶、図形認識、数量、系列完成、観察力、推理・思考などです。

【近年の出題傾向】

2024年度:系列完成(色・形・数の変化パターンの認識)、観察力(女子は色と形の変化、男子は並び方・数・方向の違い)、絵の順番(因果関係の理解、4コマの再構成)、お話の記憶(記憶+推理の複合型、情報処理の精度とスピードが問われた)

2023年度:四方図(図形・配置・法則の理解)、数量対応(女子は材料のカウント、男子は抽象概念と数値の結びつけ)、お話の記憶(長文聞き取り+心情や細かな描写の記憶)。この年は数量系問題に重点があり、応用力が問われた。

2022年度:絵の順番(動作の前後関係や因果の認識)、お話の記憶(文章量が多く複数情報の統合的理解が必要)、観察力(似ている絵の中から1つだけ異なる絵を見つける問題)

2021年度:観察力・推理思考(位置・長さ・方向の変化)、お話の理解(登場人物の発言や行動の理由を推測)、お話の記憶(買い物や調理の場面を題材に順序や理由を答える)、点図形(空間認識)。この年はお話の理解系が多く、聞く力+考える力が求められた。

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二次試験:絵画・工作テスト

二次試験の中でも対策が難しいとされるのが絵画・工作テストです。芸術作品の完成度そのものが評価されるのではなく、「どのような意図で」「どのように取り組んだか」というプロセスや内面が問われます。求められるのは画力ではなく、姿勢・工夫・粘り強さ・論理性・コミュニケーション力など、非認知能力を含めた広い意味での表現力です。

教室に入ると、机の上には12色のクレヨンやオイルパステル、折り紙、色画用紙、モール、ストロー、紙コップ、アルミホイル、透明シートなど多様な素材が用意されています。ハサミやのり、セロハンテープ、ロールシール、型抜き、飾りパーツなども含まれ、自由に使うことができます。

制作時間は1テーマあたり15〜30分程度ですが、近年は前半に制作・後半に発表や遊びを含む2部構成が増えており、トータルで40〜50分に及ぶこともあります。制作中には試験官が「なぜそれを使ったの?」「どうしてその形にしたの?」と質問する場面もあります。

試験中の態度も作品と同じくらい重視されます。指示をきちんと聞けるか、隣の子の邪魔をせず集中できるか、悩んだときに感情的にならず自分で解決しようとする姿勢があるか――そうした振る舞いが、その子の育ちを物語る材料として見られています。

【近年の出題例】
・2024年度:動物の耳やしっぽの飾り、魔法のステッキなどを制作し、テーマに合わせた遊びに展開する課題/想像画の2テーマ連作
・2023年度:オイルパステルによる絵画+描いた絵を提示して再構成する形式(例:「好きな食べ物」「怖くなくなった理由がわかる絵」など)
・2022年度:背景が描かれた台紙に絵を描き足す形式(例:「無人島でどう過ごすか」「誰に何をあげたいか」)
・2021年度:物語を聞いてから自由に絵を描く形式(男子:幽霊・カッパ・早業の話など、女子:おばあさん・屋根裏部屋・絵描きとの出会いなど)

二次試験:集団テスト

集団テストでは、課題に対してグループで協力して取り組む中で、お子さまの考え方や他者との関わり方、場の理解力が総合的に評価されます。課題は一見「遊び」に見えますが、その中に指示の理解、柔軟な思考、社会的なふるまいなどが組み込まれています。

単なる「協調性」だけでなく、自分の意見をしっかり持ちつつそれを伝える力、自ら動いて状況を変えていく姿勢、他者との意見の違いをポジティブに受け止める力など、より深い人間力が問われます。場の空気を読みながらも流されない、自分らしい判断ができるかという「個」と「集」のバランス感覚も大切です。

課題中だけでなく、教室への移動、着席の仕方、指示を待つ間の態度、終了後の行動、道具の受け渡しの丁寧さ、他の子のミスを責めずに支える姿勢など、あらゆる場面での振る舞いが評価対象です。

【近年の出題例】
・2024年度:ペットボトルや輪投げ、紙風船などを使ったリレー形式のチーム課題/ヒーローの衣装やしっぽ、ステッキを制作し物語を創作して演じる課題
・2023年度:ペットボトルキャップやトランプカード、小豆、紙風船を使った積み重ね・運搬課題/視覚的な指示に従った切り貼り課題
・2022年度:3色のひもやストロー、セロテープを使った見本の再現+アレンジ工作
・2021年度:青と赤の折り紙を使い、先生や映像で示された折り方を正確に再現する課題

二次試験:運動テスト

運動テストでは、模倣体操やリズム運動、ボール運びや段ボールを使ったリレーなどが課題として出されます。

純粋な運動能力よりも、「状況を把握して的確に動けるか」「体をコントロールできるか」「仲間との動きに配慮して行動できるか」といった心と体のバランスが重視されます。過度に萎縮したりふざけたりすることなく、適度な緊張感と前向きな姿勢で取り組めるかも大切な評価ポイントです。

慶應義塾の教育理念にある福澤諭吉の「まず獣身をなして後に人心を養う」という言葉が示すように、身体を通して人間形成を図るという価値観が運動テストの根底にあります。

行動観察の視点

慶應義塾横浜初等部では「行動観察テスト」という名称の試験は正式には存在しませんが、二次試験で行われる絵画工作・集団テスト・運動テストのすべてにおいて、行動観察的な視点が強く求められます。

学校側が見ているのは主に以下の3点です。

①周囲との関わり方:仲間の話をきちんと聞けるか、困っている子に自然と手を差し伸べられるか
②主体性と自発性:指示待ちではなく自ら工夫して取り組む姿勢、新しいアイデアを生み出そうとする創造力
③感情のコントロールと立ち直る力:失敗や意見の違いに直面したとき、どう気持ちを切り替えられるか

ただ模範的に振る舞うだけでは評価につながらず、自然体の中ににじみ出る個性と調和が大きな鍵になります。

慶應義塾横浜初等部に合格する子の特徴

慶應義塾横浜初等部に合格するお子さまは、一言で表すなら「磨けば磨くほど輝きを増すダイヤモンドの原石のような子」です。どの角度から見ても隙がないくらい一生懸命取り組める力を持つお子さまが重視されています。

ただし、ただ習い事の数を増やしたり、ただ経験させるだけでは意味がありません。一つひとつの活動にしっかり向き合い、「どうすればこの課題をこなせるか」を子ども自身に考えさせ、さまざまなやり方を試行錯誤していく過程が最も大切です。できるようになった結果よりも、課題に向き合った過程が評価されます。

横浜初等部ではペーパーテストの比重が大きいのも特徴です。図形、話の記憶、常識、推理、系列などが主に出題され、スピードが求められる問題も多いため、ポイントをしっかり押さえてスピード感を持って解く力が必要です。

行動観察においても、リーダーシップやフォローアップシップに加え、遊び方や関わり方が一人歩きせず、しっかり周りを見て考えて行動しているかが重視される傾向にあります。

ご家庭でできる対策

【ペーパーテスト対策】

・絵本の読み聞かせ+質問タイム:読み終わった後に「どう思った?」「登場人物はなぜ怒ったのかな?」と問いかけることで、内容理解・感情理解・記憶の定着が促進されます。お話の記憶やお話の理解の出題形式に自然に慣れることができます。

・お買い物ごっこ:「100円あるから50円のリンゴを2つ買えるかな?」「全部で何個になる?」など、親子でやりとりしながら楽しく取り組みます。数だけでなく、条件に合うものを選ぶ力や先を読んで考える力も養われます。

・朝の支度を「順番ゲーム」に:「顔を洗って→着替えて→カバンを持つ」のように3つの指示を順に覚えて実行するゲームに変えましょう。順序記憶や聞き取り力が自然と鍛えられ、系列・話の記憶・指示理解の土台になります。

・お出かけ後の「思い出絵日記」:「何を見た?」「何色だった?」「右側にあったのは?」と細部に注意を向ける声かけをしながら絵日記を描く習慣は、観察力・記憶力・表現力の強化に役立ちます。

【絵画・工作対策】

・思い出を絵に描く:お出かけの帰りに「今日いちばん楽しかった場面を絵にしてみよう」と声をかけ、「誰と何をした?」「どんな気持ちだった?」と質問を重ねながら描かせます。記憶と感情が結びつき、表現力が育ちます。

・絵本の「続きを描く」:読み聞かせの後に「この続きはどうなると思う?」と問いかけ、物語の続きを自由に絵で描かせます。描いた後に「この魚は誰?」「どうしてこの色にしたの?」と深掘りすると、語る力も育てられます。

・おうち工作時間の習慣化:空き箱、紙コップ、包装紙など家にある素材で自由に制作する時間を定期的に設けましょう。「このストローは何に使える?」「ボタンはどうつけようか?」と話し合いながら進めると、工夫する力や計画力が育ちます。

・作品プレゼン:夕食後に「今日描いた絵をみんなに説明してみよう」と発表タイムを設け、なぜそれを描いたか、どこを工夫したかを言葉で伝える練習をしましょう。慣れてきたら「どうしてその色にしたの?」「これは誰?」と突っ込んだ質問をすると、本番でも堂々と話せるようになります。

【集団テスト・行動観察対策】

・ルールのある遊び:すごろく、UNO、オセロ、将棋、トランプなど勝敗のつくゲームを通じて、順番を守る力、負けたときの気持ちの整理、相手への声がけを自然に身につけられます。お子さまが怒ったりルールを破ったりしても、すぐに注意するのではなく「悔しかったんだね」と気持ちを受け止めたうえで「じゃあ次はどうしようか」と話し合いましょう。

・会話に「考える種」を:「あの鳥たちは何をしてるんだと思う?」「今日いちばん楽しかったことは?」「なぜそれがうれしかったの?」と日常の中で問いかけ、お子さまの考えを引き出す習慣をつけましょう。大人の意見をすぐに挟まず、まずは子ども自身の考えを引き出すことが大切です。

・異年齢の子との交流:公園や習い事、地域のイベントなどで年齢の異なる子と関わる経験を増やすと、相手に応じた関わり方を調整する力が育ちます。兄弟姉妹がいないご家庭では、合同ピクニックや友人宅での遊び会など、意識的に機会を設けることも一つの方法です。

・小さなチャレンジの成功体験:自分で服を選んで着る、テーブルを拭く、郵便物を仕分ける、キャベツの葉をちぎる、卵を割るなど、簡単だけれど責任のある作業を任せることで、自己決定力と生活力が育ちます。

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慶應義塾横浜初等部の学費について

慶應義塾横浜初等部の初年度納入金の内訳は以下の通りです(2024年度参考、年度により変動あり)。

・入学金:340,000円
・授業料:1,020,000円
・教育充実費:500,000円
・その他(文化費・給食費・クラス費):120,000円
・合計:約1,980,000円

文部科学省の統計によると、首都圏の私立小学校の年間学費はおおよそ100〜200万円が一般的な目安とされており、慶應義塾横浜初等部は最上位の価格帯に位置しています。なお、制服やランドセルなどの準備品や寄付金は上記に含まれていません。

入学金は私立小学校の相場(25〜40万円)の中ではやや高めで、慶應義塾幼稚舎と同額です。授業料も幼稚舎と同水準です。教育充実費は授業以外の体験活動や行事にかかる費用で、幼稚舎(約21万円)より約30万円高い50万円に設定されています。

寄付金は制度上任意ですが、実際にはほとんどの家庭が何らかの形で納めています。

・教育振興資金(寄附金):1口30,000円、2口以上が推奨(任意)
・慶應義塾債(学校債):1口100,000円、3口以上が推奨(任意)

在学中には学費以外にもさまざまな費用が発生します。国際交流プログラムへの参加費は数十万円単位になることが一般的です。クラブ活動に関連する習い事の費用も、プロコーチの指導や大会出場を含むケースでは年間数十万円から100万円を超えることもあります。英会話スクールやオンライン英会話、海外のサマースクールの費用は、1回あたり20万〜100万円に達することも珍しくありません。高学年になると長野県にある慶應義塾所有の山荘で実施される「高原学校」もあり、宿泊を伴う行事も多く行われます。

慶應義塾横浜初等部の口コミ・評判から見える魅力と課題

【魅力として挙げられる点】
・「独立自尊」の理念が日々の授業や生活に自然と織り込まれ、自ら問いを立て行動する力が育つ教育
・1年生からネイティブ教員による英語授業があり、国際的な視野を早くから養える環境
・「理科園」や「生き方科」など、机の上だけでは得られない体験重視のカリキュラム
・2013年開校の新しい校舎と充実した教育施設
・SFCを経て慶應義塾大学まで一貫した進学ルートの安心感

【課題として指摘される点】
・約14倍の高倍率と多面的な試験内容による入試の厳しさ
・願書の課題図書など、保護者側の準備負担が大きく「親も試される入試」との声がある
・初年度約200万円に加え、寄付金・国際交流・習い事費用などを含めた経済的負担の大きさ
・卒業後の進学先がSFC(藤沢市)に限定されるため、進路選択の柔軟性が低い。通学距離の問題から、進学に合わせて転居を検討する家庭もある
・横浜市青葉区という立地のため、都心からのアクセスにやや時間がかかり、低学年の通学負担が大きくなることもある
・SFCから慶應義塾大学附属高等学校や医学部への進学は毎年わずか数名とされ、医師家庭などにとっては必ずしも理想的なルートとは限らない


慶應義塾横浜初等部は、学力・表現力・協調性・身体能力のすべてにおいて高い水準が求められる、日本屈指の難関小学校です。入試では知識の量ではなく「どう考え、どう行動するか」というプロセスが一貫して重視されており、短期間の詰め込み学習では対応できない力が問われます。

対策の基本は、日々の家庭生活の中で「聞く力」「考える力」「伝える力」「挑戦する姿勢」を自然と育んでいくことです。お子さまが試験当日に普段通りの自分を堂々と出せるよう、ご家庭での信頼関係と習慣づくりを大切にしてください。

また、お子さまの対策と同じくらい重要なのが願書の準備です。課題図書を早い段階から読み込み、福澤諭吉の教育思想とご家庭の子育てをどう結びつけるかを十分に練り上げておくことが、合格への確かな一歩になります。

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共働き家庭が慶應義塾横浜初等部を選ぶ前に知っておきたいこと

慶應義塾横浜初等部は、横浜市青葉区に位置する共学校で、慶應SFC(湘南藤沢中等部・高等部)を経て慶應大学まで進学できる一貫教育が最大の特長です。給食週5日完備・共学・大学まで一貫という条件は共働き家庭にとって魅力的ですが、江田駅から徒歩約10分という神奈川郊外の立地が通勤ルートと合うかどうかが最初の検討軸になります。入試に面接はなく、願書(志望理由・福翁自伝の感想を含む)と一次ペーパー・二次実技で選考されます。

共働き対応チェック一覧

チェック項目状況ひとこと
給食◎ 週5日あり給食が毎日完備。弁当作りの負担なし
学童・アフタースクール△ 要確認公式サイトに明記なし。説明会で必ず確認を。外部の民間学童の確保を並行して検討しておくことを推奨
系列校エスカレーター◎ ほぼ全員進学卒業生は初等部長推薦により原則として慶應SFC中等部へ進学。中学受験不要
大学まで一貫◎ 慶應大全学部SFC高等部卒業後は慶應大学全学部への推薦進学が可能。ほぼ全員が慶應大に進学
通学アクセス△ 郊外立地東急田園都市線・江田駅から徒歩約10分(公式)。神奈川・世田谷・城南エリア在住家庭向き。都心通勤との組み合わせは要検討
保護者参加機会△ 一定あり参観日・保護者面談など。「独立自尊」の精神を共有する姿勢が保護者にも求められる
受験での共働き不利◎ 問題なし入試に面接はなく、選考は願書と一次ペーパー・二次実技のみ。共働き家庭も合格実績多数あり

共働き家庭にとってのメリット

給食週5日完備——弁当不要

毎日給食があるため、フルタイム共働き家庭にとって朝のお弁当作りの負担がありません。これは慶應系の中でも横浜初等部ならではの強みです(幼稚舎は弁当)。

慶應大学まで一貫——中学・高校受験が不要

初等部を卒業すると原則として慶應SFC中等部へ進学し、その後SFC高等部・慶應大学へとエスカレーター進学します。慶應大学の全学部への推薦権を持ちながら卒業できるため、小学校入学後は大学まで外部受験が不要になります。共働き家庭にとって「中学受験サポートなし」は最大のメリットのひとつです。

入試に面接なし——願書と実技で勝負できる

慶應義塾横浜初等部の入試には保護者面接がありません(幼稚舎も同様)。選考は願書(志望理由・「福翁自伝」の感想を含む約800字以上)・一次ペーパー・二次実技(運動・行動観察・絵画制作)で行われます。「面接で共働きを問われる不安」がない点は、仕事を持つ保護者にとって心理的なハードルが低くなります。その分、願書の完成度が合否を分ける重要な要素になります。

共学校——男女ともに選択肢がある

慶應系列で共学の小学校は横浜初等部のみです(幼稚舎は共学ですが、横浜初等部は1学年108名3クラスとより多い定員)。男女ともに慶應大まで一貫できる選択肢として、共働き家庭からの注目度が高い学校です。

共働き家庭が特に注意すべき点

江田駅徒歩約10分——通勤ルートとの相性を確認

学校の所在地は横浜市青葉区あざみ野南で、最寄りの江田駅(東急田園都市線)から徒歩約10分です(公式アクセスページより)。渋谷・表参道・永田町・大手町方面に通勤する家庭であれば田園都市線の通勤ルートと合わせやすいですが、都心からはドア・ツー・ドアで50〜60分以上かかるケースも多く、毎朝の送り出しルートを実際に歩いて確認してみることを強くお勧めします。

アフタースクールの有無が不明——説明会で必ず確認

公式サイトにアフタースクール・放課後預かりに関する情報が明記されていません。入学説明会で「放課後の預かりはありますか」と直接確認することが必須です。ない場合に備えて、あざみ野・江田エリアの民間学童の情報収集を受験準備と並行して始めておくことをお勧めします。

願書の準備に相当な時間がかかる

面接がない代わりに、願書の比重が非常に高い学校です。志望理由に加えて「福翁自伝」を読んだ上での感想を記述する欄があり、合計800字以上になることも珍しくありません。共働き家庭の場合、受験シーズンの忙しい時期に質の高い願書を仕上げるには、学校訪問直後に下書きを始めるなど早めの着手が不可欠です。

倍率が首都圏最高水準——準備の質が問われる

2017年入試では全国の私立小学校で志願倍率1位を記録するなど、首都圏でも最難関の部類に入ります。一次ペーパーで受験生の約3分の1に絞られるため、ペーパー対策(計数・図形・積木・常識・話の記憶)を早期から積み上げることが合格への前提条件です。

出願での共働きの伝え方

慶應横浜初等部は面接がないため、共働きの姿勢や家庭の教育方針はすべて願書で表現する必要があります。「なぜ慶應の独立自尊の精神を子どもに学ばせたいか」を、共働きで培ってきた家庭の価値観(自立・挑戦・誠実さ)と結びつけて語ることが効果的です。「福翁自伝」の感想では、自分たちの仕事や家庭生活と福澤諭吉の言葉を重ねるエピソードを盛り込むと説得力が増します。仕上がりのクオリティが合否を左右するため、受験を決めた時点から少しずつ書き始めることを強くお勧めします。

共働き家庭がこの学校を選ぶべきかの判断基準

向いている家庭:慶應大まで一貫させたい(共学)/田園都市線沿線・神奈川・城南エリア在住で江田へのアクセスが良い/給食があることを重視する/慶應の独立自尊の精神に共感できる/面接なしの選考方式が自分たちに合っている

慎重に検討すべき家庭:江田駅まで片道40分以上かかる/放課後学童の手配が難しく公式情報でも不明/倍率10倍超の試験準備に時間を割けない

慶應義塾横浜初等部の共働き対応度を他の人気校と比較したい方は、【共働き×小学校受験】人気14校の共働き対応度を徹底比較もあわせてご覧ください。

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慶應義塾横浜初等部に受かる子・合格した子知っていた?
伸芽会の学校紹介動画

受かる子・合格した子は覚えてた?「慶應義塾横浜初等部」の公式情報

ここでは学校のホームページ/パンフレットから覚えておきたい内容を引用してまとめています。

慶應義塾の教育理念

慶應義塾の一貫教育の原点

独立自尊の精神を体現した将来の社会の先導者を育てるために、小学校から大学に至る一貫教育の新たな源流が生まれました。そこには、 150余年に亘る永い歴史に裏打ちされた力があります。

「我より古をなす」

 1858(安政5)年、慶應義塾は始まりました。藩士らに蘭学を教える者がいなくなり困っていた中津藩の命で、大坂の適塾にいた福澤先生が江戸の藩邸に招かれたのがきっかけです。しかし、先生は、次第に塾の経営を自らの使命として強く自覚することになります。特に、1862(文久2)年、幕府の遣欧使節の一員として渡欧した際には、欧州各国の事情を探索する中で、人物の養育の必要性を切実に認識することになりました。
 1868(慶應4・明治元)年には、独自に土地建物を購入して芝新銭座に移転します。この時の年号をとって「慶應義塾」と命名しました。丁度、江戸の市中は戊辰戦争の混乱の中にありましたが、慶應義塾は砲声を聞きながら、一日も休業することはありませんでした。実際に我が国の洋学の命脈を守った学塾としての自負を胸に、自分達が、日本の洋学の伝統を引き継ぎ、更に新しい時代を切り拓いてゆくのだという「自我作古(我われより古いにしえをなす)」の使命感はより強いものになりました。

慶應義塾風 〜独立自由にして而も実際的精神〜

 当初は様々な年代の塾生が渾然一体となって学んでいたものを、年齢に応じた教育環境を整えていきました。1868(慶應4・明治元)年には年少の寄宿生のために童子寮を設け、そして、1890(明治23)年、大学部を発足させ、従来の課程を普通部と称すようになります。更に、学校間の年齢の重複等を解消し、1898(明治31)年、今日に至る義塾の一貫教育の制度が確立しました。

 この時、満6歳から22歳までの一貫教育の特色について福澤先生は、「その卒業生は学問に於て敢て他の学生に譲らざるのみか、十六年の苦学中には一種の気風を感受すべし。即ち慶應義塾風にして、(略)之これを解剖すれば則すなわち独立自由にして而しかも実際的精神より成る」と説明しています。『福翁自伝』に、「東洋の儒教主義と西洋の文明主義と比較してみるに、東洋になきものは、有形において数理学と、無形において独立心と、この二点である」という有名な一節がありますが、「独立自由にして而も実際的精神」に対応する記述と言えます。

真に大切なものを揺るがせにしない

 「独立自由にして而も実際的精神」とは、既存の概念、権威や時代の流行等に迎合したり縛られたりすることなく、それらから自由に、自分で徹頭徹尾考え、実践することのできる独立の気力、そしてそれを可能にするあらゆる事物と現象を丁寧に観察し、その背後に潜む真実や真理原則を見抜く科学的な思考力と言えます。慶應義塾は、塾生一人一人にこのような精神の涵養を期待して来ましたし、学校そのものも、その姿勢を大切にして来ました。
 例えば、その時代の情勢からはかけ離れて新たな取り組みを行ったものが、後の世では当たり前になっていることもあります。逆に、その時代には流行した教育法に安易に迎合せず、流行に振り回されないで済んだことも多々あります。また、昭和10年代の軍事色の強い時代やGHQの意向が強かった時代においてさえ、その風潮や行政の意向に対して毅然とした姿勢を保ち続けたエピソードが残っています。
 特に、人間としての普遍的な基礎を作る初等教育段階において、時代の流行や社会の風潮に振り回されることなく、人間としての発達段階に応じて、その段階の子供に真に大切だと考えることを些かも揺るがせにしないという姿勢が重要であると私達は考えています。

横浜初等部が目指すもの

 慶應義塾は、1858(安政5)年の創立以来その形を次第に整え、1898(明治31)年、今日に至る一貫教育の制度を確立しました。その後、社会は変化を更に加速させ、国際化・グローバル化への対応が強く求められています。一方で、子供達を取り巻く環境は、家庭や地域の機能の低下が指摘されるように、様々な課題を呈して来ています。
 横浜初等部では、独立自尊の精神を体現した将来の社会の先導者を育てるために、今の子供達を取り巻く環境と、子供達が社会に出て活躍する時代を共に見据えながら、新たな教育を行っています。
 入学間もない時期には、健康な身体と共に「律儀正直親切」な性質を養うことに力を注ぎます。律儀とは、自分のなすべきことを考え、それを行うことです。自分のなすべきことは、年齢と共に公の役割にまで広がっていきますが、その習性は、幼少期に、自分の身近な生活の中で行うことから始まります。そして、小中高の一貫教育において、知性、感性、体力、気力、表現力、人の心を思いやる力、異なる価値観を超えて協力する力、社会的責任感と倫理感を持った未来の先導者を育てていきます。
 そのために日々の教育は基礎学力の重視はもとより、「体験教育」、「自己挑戦教育」、「言葉の力の教育」を三つの柱に展開しています。
 初等部生に期待する資質は、福澤先生の「身体健康精神活発」と「敢為活発堅忍不屈の精神」の二語に集約できます。強健な身体、気力と快活さに富んだ精神、そして、積極的に活動する姿勢、何事があっても屈しない心があって初めて、将来の益々複雑で変化の激しい時代において、直面する様々な困難に粘り強く取り組むことができると考えるからです。

横浜初等部の教育の柱

体験教育

授業時間内と課外の活動、校内と校外の活動のいずれにおいても、具体的な観察・体験を大切にします。抽象的な概念や理屈も、そのまま受け入れるのではなく、自ら能動的に観察し体験することで初めて実感を以て理解できるようになります。

言葉の力の教育

言葉の力とは、物事を描写・分析したり、概念化したりする過程を言葉の形にし、自ら理解する力、他者に伝える力を意味します。それは生徒が社会生活を営む上で大切な力であり、国内外を問わず実社会において必要不可な力です

自己挑戦の教育

自分の得意なことに熱中し高い目標を達成したり、逆に苦手なことに積極的に取り組んだり、少しずつでもできるようになる体験を大切にします。その積み重ねが、どんなに難しいことでも挫けることなく、自分にはやり遂げることができるという自負と強い気力を生み出します。

横浜初等部のヴィジョン

横浜初等部に集うすべての人々に期待される資質、それが「横浜初等部のヴィジョン:12の資質」です。

「律儀」「正直」「親切」「偏見がない」「自ら鑑みる」「対話力」「創造力」「問題意識・論理的思考力」「探究心」

「問題解決力」「失敗を恐れない」「挫けない」の資質を、初等部生、教職員、保護者の全員が大切にし、共に学び合い高め合うことで、人として、そして学校として成長していくことを目指します。

横浜初等部に集うすべての人々、一人ひとりが自らの資質を高めることで、私たち横浜初等部は、より優れた学び舎へと成長していきます。

それは、福澤諭吉が説いた「一身独立して、一国独立す」の考えに他なりません。

小中高一貫教育

 横浜初等部は、幼稚舎と並んで、満6歳から大学・大学院までの慶應義塾の一貫教育の源流となる学校です。初等部の卒業生は、部長の推薦により湘南藤沢中・高等部に進学します。
 湘南藤沢中・高等部は、1992(平成4)年、湘南藤沢キャンパスに開設された中高一貫6年制の学校です。その教育においては「社会的責任を自覚し、知性、感性、体力にバランスのとれた教養人の育成」を目標とし、その特色としては、「異文化交流」と「情報教育」が挙げられます。
 「異文化交流」については、英語の教育では、英語科の教員の約半数がネイティブスピーカーで、「英語について学ぶ」のではなく「英語で何かができるようになる」ことを目指した授業を行っています。また、海外留学プログラムでは、独自の短期留学プログラムを拡充しており、現在では、イギリス、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、韓国の6カ国で計10校との交換留学プログラムがあります。このような環境の中で、全生徒が多くの刺激を受けながら6年間を過ごしています。
 「情報教育」では、コンピュータやネットワークのリテラシーに関する教育等を通じて、社会に氾濫している情報の中から情報の価値を正しく判断する力を身に付け、これからの社会のリーダーとしての資質を育むことを目標にしています。また、その趣旨は各教科に広がり、社会科では統計グラフの作成をはじめ、資料から情報を読み取り、それをまとめる作業に力を入れたり、数学科ではデータサイエンスの教育に力を入れたりしていますが、それらの教育水準は高い評価を得ています。
 一方で、百人一首大会や能・狂言鑑賞会が毎年実施されて来たことが示すように、まさに「バランスのとれた教養人」育成のために、日本の古典に親しむことにも力を入れています。
 湘南藤沢高等部の卒業生は他の義塾の高等学校と同様に、推薦によりほぼ全員が義塾の全学部に進学しています。
 横浜初等部と湘南藤沢中・高等部では、大学までを見据えた新たな小・中・高一貫教育の実現を目指して、基礎学力の重視、教育内容上の連続性に留意しながら、カリキュラムの充実に向けて協力を行っています。また、個々の生徒については、進学という節目は大切にしながらも、12年間を通じて、発達段階に応じてきめ細やかに見守ることができる環境を大切にします。そのためにも、両校の教員が互いに一部の授業を兼務で担当するなど、相互に交流を深め、生徒一人一人を長い時間軸の中で、多面的・総合的に捉えるような姿勢が両校の学校全体に醸成されています。

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