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ペーパーや行動観察とならんで、体を動かす「運動」を考査に入れている小学校があります。けれども、運動をするのがどの学校で、その中で何を見ているのかは、学校によって公表のしかたがさまざまです。
この記事では、試験の内容に運動を書いている学校と、それぞれの学校が公式に説明している「見ていること」を表にまとめました。あわせて、運動がある日の服装と靴の指定、文部科学省の「幼児期運動指針」にそった体操・ボール・縄跳びの家での練習を紹介します。学校の情報は、各校の募集要項・入試ページで確かめたものです(確認日:2026年9月27日)。
地域別に見る:東京|神奈川・埼玉・千葉|大阪・京都・兵庫・奈良
当サイトに学校別の記事がある首都圏・関西の小学校を中心に、募集要項や入試ページを確かめたところ、試験の内容として運動をはっきり書いていたのは、次の14校でした。ページを開けなかったり、内容を公開していなかったりして確かめられなかった学校もあります。表にない学校で運動がないとは限りません。
| 学校名 | 公式の記載(資料) |
|---|---|
| 暁星小学校 | 一次試験は「知能テスト・運動テスト」(2027年度生募集要項) |
| 東京女学館小学校 | 一般入試は4つのパートの考査で選考。そのひとつが「友だちと協力して課題に取り組んだり運動したりする考査」(入試ページ) |
| 成城学園初等学校 | 「口頭試験・筆記試験・親子面接・行動観察・運動考査などを組み合わせて実施」(よくあるご質問) |
| 光塩女子学院初等科 | テストB(行動観察)の中に「運動」。前年度(2025年秋)は「じゃんけんゲーム・リズム・バランス・模倣体操他。」(入試ページ) |
| 東京農業大学稲花小学校 | 試験②の行動観察は体育館で実施。「軽い運動やグループでのゲームなどを通じて、指示に従い、集団行動ができるか」などを主な観点とする(2027年度募集要項) |
| 明星小学校 | 「③社会性・協調性(運動・巧緻性を含む)」。すべての内容に行動観察を含む(2027年度募集要項) |
| 玉川学園小学部 | 「運動では、姿勢や身のこなし等の基本的な運動能力を見ます」(よくある質問) |
| 洗足学園小学校 | 1次試験は「学力検査」「運動機能検査」「行動観察1」(募集要項) |
| 開智小学校(総合部) | 試験科目に「運動」(2027年度募集要項)。前年度の要項では「運動:運動能力を観ます。」と説明 |
| 開智所沢小学校 | 2027年度の入試は開智小学校(総合部)・開智望小学校と合同で実施。公開している過去の入試問題にも「作業・行動観察・運動」の区分がある(入試ページ) |
| 星野学園小学校 | 試験内容は「①面接(受験生と保護者同伴)②ペーパーテスト③運動テスト④制作テスト⑤行動観察テスト」(募集要項) |
| 追手門学院小学校 | 「受験者の知能、運動能力、基本的な生活習慣や生活態度、行動観察、保護者面接を総合的に判定」(入試ページ) |
| 奈良学園小学校 | A・B・Cの各日程に「保護者面接・行動観察」と「ペーパーテスト・制作・運動」がある(入試ページ) |
| 東京都立立川国際中等教育学校附属小学校 | 第2次(適性検査)は「筆記、集団活動、インタビュー、運動遊び等を適切に組み合わせたもの」。満点は筆記70点、インタビュー・運動遊び・集団活動30点(令和9年度児童募集要項) |
書き方は学校ごとに違い、「運動テスト」「運動機能検査」のように独立した試験として書く学校もあれば、稲花小学校や光塩女子学院初等科のように、行動観察の中に運動を含める学校も見られます。具体的な種目まで公表していたのは、今回確かめた範囲では光塩女子学院初等科(前年度に行った内容)だけでした。志望校で何が行われるかは、説明会や、学校名のリンクから進める学校別の記事でも確かめてください。各校の試験日は2027年度の入試日程一覧にまとめています。千葉県の私立小学校(10校のうち7校が運動を試験の内容に挙げています)と、名古屋・愛知の私立小学校(椙山女学園大学附属と名進研が運動を挙げています)の試験の内容は、千葉県の私立小学校一覧と名古屋・愛知の私立小学校一覧で紹介しています。
各校の説明を並べてみると、運動の課題で見られていることは、体の動きそのものと、課題への取り組み方の2つに分けられます。
| 見ている点 | 各校の説明(公式) |
|---|---|
| 基本的な運動能力 | 玉川学園「姿勢や身のこなし等の基本的な運動能力を見ます」/開智(総合部)「運動能力を観ます」(前年度の要項)/追手門学院は「運動能力」を総合的に判定する項目のひとつに挙げている |
| 指示を聞いて、集団の中で動けるか | 稲花「指示に従い、集団行動ができるか」/東京女学館「友だちと協力して課題に取り組んだり運動したりする考査」/明星「社会性・協調性(運動・巧緻性を含む)」、すべての内容に行動観察を含む |
速く走る、たくさん跳ぶといった記録のよしあしだけで判断されるとは限りません。話を終わりまで聞いてから動く、順番を待つ、終わりの合図でやめる、失敗しても投げ出さずに続ける、といった様子も見られているつもりで、日ごろの遊びでも意識してみてください。このような取り組み方は、行動観察の対策とも共通しています。
文部科学省の「幼児期運動指針」(平成24年3月)は、3歳から6歳の小学校就学前の子どもについて、体を動かす遊びのあり方をまとめたものです。指針では、この時期に身につけたい基本の動きを、3種類に分けて示しています。
| 動きの種類 | 指針に挙がっている動きの例 |
|---|---|
| 体のバランスをとる動き | 立つ、座る、寝ころぶ、起きる、回る、転がる、渡る、ぶら下がる など |
| 体を移動する動き | 歩く、走る、はねる、跳ぶ、登る、下りる、這う、よける、すべる など |
| 用具などを操作する動き | 持つ、運ぶ、投げる、捕る、転がす、蹴る、積む、こぐ、掘る、押す、引く など |
指針によると、5歳から6歳ごろは、全身の動きが滑らかで巧みになり、全力で走ったり跳んだりすることに心地よさを感じるようになる時期です。ボールをつきながら走るような、基本的な動きを組み合わせた動きにも取り組みながら、3つの動きをより滑らかにできるようになることが期待されています。
指針はまた、動きは易しいものから難しいものへ、ひとつの動きから似た動きへと広がっていくとしています。家での練習も、ひとつの動きに慣れたら、似た動きや、2つの動きをつなげる遊びへと少しずつ進めていくと、無理がありません。
ここからは、受験の準備でよく話題になる体操・ボール・縄跳びなどを、指針の3つの動きに当てはめて、家での練習のしかたを紹介します。ここで挙げる種目が、どの学校でも出るわけではありません。回数や記録を目標にするより、指示どおりに動くことと、楽しく続けることを第一にしましょう。
光塩女子学院初等科は、前年度の考査で「リズム・バランス・模倣体操」などを行ったと公表しています。家では、おうちのかたが手本を見せて同じ動きをまねする遊びや、手拍子や音楽のリズムで歩いて、音がやんだらその場でぴたりと止まる遊びがおすすめです。片足で立つ、両手を広げてゆっくり回るといった、バランスをとる動きも取り入れましょう。
ボールを使う遊びは、指針の「用具などを操作する動き」にあたります。最初は向かい合って床に転がし、両手で受け止める遊びからスタートします。次に、下から投げたボールを両手で捕る、上から投げる、その場でつく、と一つずつ進めます。慣れてきたら、ボールをつきながら歩く、的をねらって投げるなど、2つの動きをつなげる遊びにしてみてください。
縄跳びは、縄を回すことと、その場で跳ぶことを合わせた動きです。うまく跳べないときは、縄を持たずに両足をそろえてその場で跳ぶ練習と、縄を片手に持って体の横で回す練習を分けて行い、それぞれができてから合わせると、つまずきが減ります。前に回して1回跳ぶ、続けて跳ぶ、と段階を踏みましょう。
走る、跳ぶ、はねるといった移動の動きは、公園の遊びの中でたくさん経験できます。かけっこ、ケンケン、スキップ、四つ這いで進む遊び、鬼ごっこなどを、日によって変えながら遊んでみましょう。ケンケンは左右どちらの足でもできるように、スキップは手の振りも合わせて練習すると、動きが滑らかになっていきます。
幼児期運動指針は、幼稚園や保育所などでの活動に、家庭や地域での活動も合わせた一日の生活全体で、様々な遊びを中心に「毎日、合計60分以上」、楽しく体を動かすことが望ましいと示しています。散歩や手伝いなど、生活の中での動きも含めて考えてよいとされています。
指針は、体を動かす遊びは、大人に言われてするより、子どもが自分の興味や関心から始めることが大切だ、とも書いています。受験の準備でも、同じ動きをくり返し「させる」だけにならないよう、遊びの中で自然に動きが増えるように工夫しましょう。指針が挙げている3つのポイントは、次のとおりです。
運動がある試験では、服装や靴を募集要項で指定している学校があります。次の表は、各校の2027年度の要項などから、服装と靴にかかわる記載を抜き出したものです。
| 学校 | 募集要項などの記載 |
|---|---|
| 洗足学園小学校 | 「運動機能検査・行動観察試験のため、1次試験・2次試験ともに志願者の運動に適した靴を準備してください」 |
| 立教小学校 | 「受験生児童は、動きやすい履きなれた運動靴を直接履いてお越しください」。校舎内は土足で入れるため、履き替えは不要 |
| 東京女学館小学校 | 親子とも「上履き【履き慣れた物(走っても脱げないもの)】」と靴を入れるビニール袋を用意。「お子様の服装は運動しやすいものにしてください」 |
| 桐朋小学校 | 「室内履き(児童・保護者とも。児童は運動できる靴)」と、外履きを入れる袋を持参 |
| 東京農業大学稲花小学校 | 受験者の服装は「簡単な運動に適した服装」。室内履きは「簡単な運動ができるもの」 |
| 明星小学校 | 服装は「動きやすい服装」。持ち物は受験票、上履き、靴袋 |
| 桐光学園小学校 | 「受験児童の服装はできるだけ動きやすいものにしてください。※体操服はいりません。」 |
| さとえ学園小学校 | 「活動しやすい服装でお越しください。着替えの時間はありません。」 |
| 開智小学校(総合部) | 前年度の要項に「運動に適した動きやすい服装でおいでください。(着替えのスペースは用意してあります)」 |
| 同志社小学校 | 「お子様は、軽い運動のできる服装でお越しください。」 |
このように、運動に適した靴を用意する学校、上履きで受ける学校、運動靴で来てそのまま受ける学校と、靴の指定は学校ごとに違います。体操服がいらないと明記している学校や、着替えの時間がないと書いている学校もあるため、志望校のその年の要項を見ておきましょう。どの学校を受ける場合も、新しい靴は避け、履き慣れて走っても脱げない靴を選んでおくと、当日あわてずにすみます。服装全体の考え方は、小学校受験の服装と持ち物の記事で、場面ごとに整理しています。
今回確かめた国立の附属小学校では、ホームページに「検査」「調査」といった名前や大まかな説明だけを載せている例がほとんどで、くわしい募集要項を頒布(販売)する学校もあります。たとえば東京学芸大学附属小金井小学校は、令和9年度の募集の公示で、「学齢を迎える児童としての身体的な面、知的な面、社会的な面、情緒的な面などについて総合的に調査します」と説明しています。国立小学校の選考の流れは、国立小学校の受験ガイドで説明しています。
合格の基準になる記録や回数を公表している学校は、今回確かめた範囲ではありませんでした。玉川学園が「姿勢や身のこなし等の基本的な運動能力」と説明しているように、特別な技よりも、年長の子どもがふだんの遊びでしている動きを、指示どおりに落ち着いてこなせるかどうかが基本です。指針の3つの動きを、毎日の遊びの中でまんべんなく体験できるとよいですね。
具体的な内容まで公表している学校は、今回確かめた範囲では多くありませんでした。光塩女子学院初等科は前年度の考査で「じゃんけんゲーム・リズム・バランス・模倣体操」などを行ったと公表しており、稲花小学校は「軽い運動やグループでのゲーム」、立川国際中等教育学校附属小学校は「運動遊び」と書いています。志望校の内容は、説明会や学校別の記事で確かめてください。
縄跳びの回数を示している学校は、今回確かめた範囲ではありませんでした。回数を目標にするより、前に回して続けて跳ぶ動きを身につけ、「始め」「やめ」の合図で跳んだり止まったりする練習も加えてください。合図に合わせて動く練習は、ほかの運動の課題にも役立ちます。
考査で使うボールの種類や大きさを公表している学校は、今回確かめた範囲ではありませんでした。家では、子どもが両手で持って投げたり受けたりしやすい大きさで、当たっても痛くないやわらかいボールが扱いやすいでしょう。慣れてきたら、大きさや弾み方の違うボールも使ってみると、いろいろな動きを経験できます。
学校によって違います。桐光学園小学校は「体操服はいりません」と明記し、さとえ学園小学校は「着替えの時間はありません」としています。これに対して開智小学校(総合部)の前年度の要項には、着替えのスペースを用意していると書かれていました。必ず志望校のその年の要項で確かめ、指定がなければ、動きやすく着慣れた服装を選びましょう。
通うかどうかは、家庭の予定と子どもの様子に合わせて決めてよいことです。幼児期運動指針が大切にしているのは、毎日の遊びの中でいろいろな動きを経験することです。教室は、ほかの子と一緒に、先生の言葉を聞いて体を動かす場のひとつですが、家や公園での遊びを土台にして、子どもが楽しめるかどうかで決めるとよいでしょう。教室の選び方は塾・幼児教室の選び方で、運動や行動観察を行う回もある模試については模試の記事にまとめました。
できない動きは、小さな動きに分けて練習しましょう。スキップが苦手なら、その場で片足ずつ跳ぶ、ゆっくり歩きながら片足ずつ跳ぶ、と段階を踏みます。ほかの子と比べず、前よりできるようになったことを具体的にほめてください。指針も、遊びの中で得た成功体験が意欲につながり、体を動かす機会を増やすとしています。
小学校受験の運動は、独立した試験として行う学校もあれば、行動観察の中で行う学校もあります。学校の説明を見ると、基本的な運動能力とあわせて、指示を聞き、集団の中で動く姿も見られています。家では、指針の3つの動きを毎日の遊びでまんべんなく経験し、「最後まで聞く・合図で始めて止まる・片付ける」までをひとつの練習として続けていきましょう。
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この記事で紹介した試験の内容や服装・持ち物は、2026年9月27日の時点で、各校が公式サイトや募集要項で公開していた内容です(前年度の内容は、表の中にそのように書いています)。内容は年度や入試の回によって変わる場合があります。出願や受験の前に、志望校のその年の募集要項を読み直してください。



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